「オール電化」マンションの安全性は?

「やっぱりあぶない、IH調理器」では、家電製品の電磁波と体への影響についてお話しました。
今回は、新築マンションでのオール電化の安全性について考えていきましょう。

HI調理器は、妊娠初期使用厳禁!

近頃の新築マンションでは、設備の売りとして、IH調理器をはじめとする台所・バス・冷暖房などすべてを電気でまかなうオール電化システムを宣伝しています。
しかし、これまでの説明でもわかるとおり、妊娠中にIHクッキングヒーターをつかってはいけません。妊婦が16ミリガウス以上の電磁波を、“一時的”に浴びるだけで流産リスクがはね上がるのです(De-Kun Li etc, Epidemiology 13号9-12 2002年より)。

感受性のある人の流産は3倍増

下記のグラフでの「リスク比」は最大被ばく磁場が16ミリガウス以上と以下の比較です。
流産全体は1.8倍増え、なかでも初期流産は2.2倍。感受性のある女性(流産歴あり)の流産リスクは3.1倍にも達します。
“一時的”な短期間の電磁波被ばくだけでも、これだけ流産率は増加するのです。

一時的に16mG以上の電磁波を浴びた妊娠女性のリスク比
一時的に16mG以上の電磁波を浴びた妊娠女性のリスク比

3.16ミリガウス以上で流産が最大5.7倍増とは…

16ミリガウス以上の“定期的”被ばくはさらにリスクを高めます。それは全体で2.9倍。
うち流産歴のある感受性のある女性は4.0倍。妊娠10週以内の初期流産は、ナント5.7倍にも達しています。おどろくべき流産率です。
IHクッキングヒーターを毎日の料理に使うと、“定期的”に16ミリガウス以上被ばくしてしまいます。「食品と暮らしの安全基金」が警告する危険距離はIH調理器から水平30センチ、上下60センチです。しかし、ナベに具を入れたり、かき混ぜたり、のぞいたり、味見したりすると、この「流産防止ゾーン」を完全に守ることは不可能です。だからIHをつかってはいけないというのです。

引用:船瀬俊介 (2005)『やっぱりあぶない、IH調理器』三五館