健康と環境を考えたリフォーム、最良の選択とは?
「手放せない!ケータイは、いまや不可欠だけど…」では、携帯電話の電磁波の危険性についてお話ししました。
今回は、コンクリート住宅の電磁波とリフォームについて考えていきましょう。
『電磁波の鳥カゴ』100ミリガウス突破
今、大手メーカーが新築する電化住宅、リフォームを提案する建築のほとんどは、鉄筋コンクリート住宅です。
島根大学総合理工学部(中尾哲也教授ら)は、鉄筋コンクリート住宅は木造住宅に比べて、ガンなどで「9年早死にしている」との衝撃リポートを発表しました(拙著『コンクリート住宅は9年早死にする』リヨン社参照)。
その原因として、第一にコンクリート建材には冷輻射作用で体熱を奪うという致命的欠陥があります。身体は内部から冷やされると免疫力が低下し、自律神経が失調して、ホルモンも変調を来たしてくるのです。次いで、コンクリート建材のセメント原料に含まれるラドンから放出される放射線のアルファ波が あげられます。
この「コンクリート・ストレス」を筆頭に、現代住宅が住人に及ぼす問題点として、化学建材や塗料等による「シックハウス」、高気密による「結露とカビ」、そして詳述してきた「電磁波」があげられます。
これら鉄筋コンクリート建築は、強度を増すために、鳥かごのように鉄筋が床、天井、壁に網の目のように組まれています。それらはまさに電気を通す導電体です。マンションや団地の室内で、コンクリートに塩化ビニールを直貼りした天井面やスイッチや分電盤の近くで100ミリガウスを超える電磁波が測定される原因には、どうやらこの鉄筋コンクリート建築の致命的欠陥が潜んでいそうです。
鉄筋による電磁波誘導という作用で、室内に発生する電磁波の波動エネルギーが、この“鳥カゴ”に共鳴しあって、さらに増幅増強される場所が生まれるのでしょう。これはちょうど、音波の反響、増幅と似ています。
電気工事会社経営の経験をもち、電磁波被害に詳しい伊藤好則さんは、配線の工夫で室内電磁波を減らせる「電磁波フリー工法」を発見考案し、分電盤の近くでも電磁波ゼロを実現しました(アイ・ケイ・ケイ(株))。
もはや“電磁波の鳥カゴ”と化す鉄筋コンクリート建築の時代は終わったといえるでしょう。
改築や リフォームの際は、まず内装を木装に、配線は寝室や子ども部屋を避けて、一束にまとめるなどの電磁波対策をおすすめします。
「できるだけ電気を使わない」社会へ
さらに地球温暖化が逼迫してきた現在、わたしたちがめざすべきは「できるだけ電気をつかわない」「エネルギーをつかわない」社会です。
たとえば、暖房は太陽熱や地熱を最大限に活かす。
たとえば、太陽の熱を吸収する煉瓦などの素材を床に敷いたり、壁に付けたりして、その熱を暖房に活かす…
などの工夫です(パッシブ・ソーラー方式)。あるいは深い軒先、池や打ち水、坪庭などの工夫で自然な涼を取る。自然と調和し、さらに深い風情もある省エネの暮らしが求められています。地球温暖化を防ぐには、まさにそのようなライフスタイルが理想です。
引用:船瀬俊介 (2005)『やっぱりあぶない、IH調理器』三五館